教育ローンを借りてでもイデコで積み立てした方がお得!?

積み立て

イデコは住民税10%と所得税20%が還元されるから、定期預金でも年率30%の価値ありって記載しているホームページがありました。…さすがにそんな効果はありません。預入年のみの控除だし、60歳までは運用なんでトータルではそこまでは得しません。
何年運用か、所得税が何%か、によって違うので、計算できるエクセルファイルを作成しました。計算してみればiDeCoしないのは損だって気づくでしょう。

iDeCoの減税について

2種類の減税

iDeCoには次の2種類の減税があります。
1.運用益に対して課税されない。
2.拠出時に所得とされず、受取時に所得となる。
1番目は銀行の定期預金の利子や株の利益、配当金などにかかる20%ほどの税金が、iDeCoで運用だとかからないといいうことです。運用期間や運用額が大きくなると結構な額になりますが、NISAと同様ですし利益額によるので今回の計算の対象外としました。年間1%の配当等があれば、年利0.2%ほどの効果で複利で効きます。

2番目は拠出額が全額所得控除されると説明されていますが、受取時に所得となります。今の所得ではなく将来の所得になります。課税が先延ばしされることで複利の効果があります。
受取時は利益に対して税金がかかるのではなく、受取額全体(拠出額+利益)に対して税金がかかります。かなり儲けて下手に受け取れば、拠出時に所得控除されて得した額と利益に対して非課税で得した額よりも多く課税されるケースも考えられます。
これだけ聞くとメリットなんだかデメリットなんだか分からないですが、他の所得とあわせてよく考えて受け取れば、そこそこ多くの人は受取時に控除の枠内で非課税で受け取れるはずです。

所得控除の概要

拠出時には拠出額が全額所得控除されます。
例えば、所得(給与収入ではなく各種控除後の所得)が400万円の人が年20万円拠出すると、所得が380万円だったということになります。
そうすると、住民税が2万円、所得税も約4万円安くなります。年20万円拠出すると年6万円ほど税金が安くなるということです。なお、所得額により所得税の税率は変わります。
所得が減るので、児童手当とかでラインぎりぎりの人はメリットでる可能性もありますが、ふるさと納税の枠が減るなどのデメリットがでる場合も。

受取時は、一時金で受け取ると退職所得控除が、年金で受け取れば公的年金控除が使えます。受取時の他の所得と合算されるので分かりにくいですが、受け取り方は自分で選択できるので、受け取る年や一時金と年金の比率を調整して所得控除の枠内で非課税となるようにしやすいです。
今回は、受取時が非課税として所得控除の効果を計算しています。

iDeCoによる非課税の効果

拠出額が全額所得控除される効果が年率何%の効果になるか計算しました。

上記の表に示したとおり、40歳から60歳まで運用で所得税10%の場合、節税の効果により年利約2%の価値となります。(googleスプレッドシートで毎月拠出だとRATE関数でエラーがでた!)
所得税の税率が高い人は、年利換算が高くなります。例えば、上記条件で所得税が20%なら年利約3%の価値になります。
投資年数が長くなると、年利換算は低くなります。例えば、上記条件で所得税10%、30年投資なら年利約1.4%の価値になります。
自分にあてはまる条件で計算してみてください。

ネットの高金利定期預金よりも明らかに高価値ですよ。金利が上昇すれば、iDeCoの定期の金利も上がるでしょうし、iDeCoの定期は課税されないですし。
運用期間が長いほど、月掛け金が低いほど、換算した年利率は下がりますが、定期預金よりははるかにお得です。

iDeCoの定期は金利が安すぎな上に手数料とられるからって利用しないのは損ですよ。課税所得がない人は別ですけど。

年利率だけみると投資年数が短い方がお得に感じますが、率ではなく額で見れば長く節税した方が得です。

住宅ローンや教育ローンとの比較

iDeCoは老後資産なので若いうちは必要ないっていう人もいます。本当でしょうか?

教育ローンとの比較

100万円をiDeCoに預け入れると、所得税10%なら住民税10%とあわせて20万円ほどの節税効果です。所得税20%なら30万円ほどです。

この100万円分をiDeCoに預けたせいで、教育ローンを100万円使うことになったとします。
教育ローンは学生の間の5年間が金利のみの支払いで、その後の5年間で完済とします。
金利2%なら、据え置き5年の利子が約10万円、その後の5年の利息分が約5.2万円と合わせて15~16万円です。iDeCoの節税効果の方が高いことになります。

今後は金利が上がるかもしれないですが、iDeCoも運用益がでるかもしれないです。
それに、iDeCoをしていても教育費がかかるまでの貯蓄や奨学金で教育ローンが不要になるかもしれないです。

教育費のメドが立つまでiDeCoをしないってのは得策ではないかも。

住宅ローンとの比較

住宅ローンは今なら金利が低めですが、期間が長く繰上げ効果が大きいです。

住宅ローンで100万円を残期間25年で期間短縮型で繰り上げると、年利1%でも手数料含まず総額で28万円ほど支払いが楽になります。
最初の10年はローン減税あるので、11年目に35年ローンの繰り上げ返済をしたと想定
金利が年利2%なら25年で60万円ほどです。iDeCoの25年の運用益があるとしても、住宅ローン返済を優先した方がよいかも。

住宅ローンの残期間が長く利率が高いなら、返済を優先すべき。
これからローンで家を買う予定がある場合は頭金に回すべきかも。

繰上げ返済時の軽減額は計算できるサイトがいくつかあるので利用してみてください。ダウンロードできるファイルにも概算の計算シートはつけてあります。

おわりに

60歳まで資金が拘束されるとか、手数料がかかり受取時に課税の可能性があるなどデメリットはありますが、iDeCoの他に良い代替商品がある訳ではないので老後資金の準備の一番手です。ここでダウンロードできる上記ファイルで計算して実感してみてください。

iDeCoの定期預金は利率が低いのに手数料がとられるからと、ネット銀行の高金利定期にしている人は減税効果も含めて比較してみてください。

iDeCoは将来のローンの可能性がある若い人でも積極的に利用するとよいと思います。iDeCoに引き落とされてしまった方が、なかったものとして日々の出費が減りそうです。将来の年金給付率が下がるのは確定的なので、iDeCOは厚生年金のように元々支払わなくてはいけないもので、収入としてはなかったものとして考えて生計を考えればよいかと。iDeCoを満額払い続けて、ようやく今の年金の給付水準に追いつくぐらいかも!?

ただし、確定している住宅の頭金もしくは住宅ローンの返済とどちらを優先するかは、よく考えた方がよいです。
iDeCoをしていても住宅ローン控除が終わる10年目+5~10年で返し終わるならiDeCoがよいと思いますが、年収(所得税率)などによって損得は変わります。住宅ローンの繰り上げ返済の計算シートで計算して検討してみてください。

ここでは定期の話しばかりでしたが、iDeCoは長期投資なのでリスク資産で運用がよいとは思います。

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