非課税口座ではなく利益が出ていて課税されても課税口座から売却すべき

売却

資産売却時に同種のファンド等を複数の口座で保持していた場合、どの口座から優先して売却すればよいのでしょうか?
その年に他で利益が確定していたら、損失でている口座で相殺できるようにすべきです。また、その年に他で損失が確定していたら、利益でている口座で相殺できるようにすべきです。
相殺し終わった後、もしくは、他で損益を確定する必要がなかった場合は、どうすればいいでしょうか?
将来的にどの程度の影響があるかも含めて計算してみました。

売却資産の違いによる将来の収益の差を計算

利益で課税資産 VS 損失で課税額0の資産

最初に利益が出ていて課税される資産 と 損失がでていて課税額が0の資産の比較です。

利益資産:取得原価100万円、現在価格150万円
損失資産:取得原価110万円、現在価格100万円
現金化したい額:100万円

この条件でエクセルで計算してみます。下のリンクからダウンロードすれば条件変えて計算できます。

利益資産を売却して現金100万円を手にするには、利益資産を107万円ほど売ります。
税金で7万円ちょっと引かれますが、手元に100万円残ります。

損失資産を売却して現金100万円を手にするには、損失資産を100万円売ります。

現時点では税金を払わない方が得のようですが、投資資産の増減がなければ、将来に支払う税金をあわせて考えると損得なしです。今のうちにどっちを売っても変わりません。

投資資産が変化した場合の将来資産の差をエクセルで計算した結果が次のグラフです。

緑の線(±0)より赤い線(将来資産の差)が上にあると、今の時点で黒字資産を売却(今のうちに税金を支払う)した方が得です。
この例だと、将来資産が0%~35%の上昇という普通な結果だと黒字資産の売却が得となります。

損益通算できない場合(細かい単元で売れないとか、名義が違い損益通算できないとか、口座が違い確定申告してまでとか)、上の例では将来的にある程度の上昇時に損する可能性はあるけど、大きな損失を避けるためにも損失でていて現状では税金支払いのない資産を売却した方がよさそうです。

差だけを見ると違いが大きいように見えますが、総資産に対する割合だとそんなに差はでませんでした。私なら気分的に売りたい方を売るでいいかな。

なお、利益資産の利益率が低く、損失資産の損失率が高い場合は、税金がかかっても利益がでている資産を売却しておいた方がよさそうです。上のグラフの緑の線が下に下がるイメージ。

損益通算できないなら、自分の例で計算してどちらを売るか判断しよう。

損益通算できる状況なら損失と利益が同じになるように現金化すればいいです。
上の条件だと、利益資産を23万円ほど、損失資産を77万円ほど売却すると、利益±0です。
上のエクセルの右端につけていますが、将来資産も常に最も高くなります。
(エクセル上の将来は、他と比較できるよう損益通算してないです。タイミングもあるし。)

損益通算できるなら、利益が±0になるよう調整して売却するべき!

20万円までは確定申告不要な人で源泉徴収なしなら、利益を20万円に調整しても。

課税資産(損失) VS 非課税口座

課税口座で損失でている資産を売却か、非課税口座を売却か、の場合は、将来の大幅利益時を考えて課税口座売却です。

将来、投資資産が現状同等、もしくは下がる状況ならば、非課税口座も課税口座も税金がかからず同じです。課税口座で税払いが必要になるほど投資資産が上昇したときに初めて違いが生じて、非課税口座が有利になるからです。

できれば、課税口座売却時に他との損益通算損失繰越控除を考えるといいです。

10万円損失でてるなら、売るつもりない10万円分の利益がでているのを売り、直後に同じ分だけ買う。そうすれば、取得単価が上がって、将来の課税額が減る可能性があります。
(その直後ってのが同一日だと利益にならないのがあったりするので要注意。)

課税資産(利益) VS 非課税口座

利益が出ていて課税される資産を売却か、非課税口座の資産を売却か、のどちらがよいか比較します。
非課税口座のイデコ(iDeco)は引き出せないけど、家計全体の現金比率は調整できます。
非課税口座のNISAは売却すると枠が減るけど、減っても問題ないなら売却できます。
変額保険は非課税のように組み換えできます。いろいろ不明なところがあるけど。

利益資産:取得原価100万円、現在価格150万円
非課税資産:現在価格100万円
現金化したい額:100万円

この条件でエクセルで計算してみます。

利益資産を売却して現金100万円を手にするには、利益資産を107万円ほど売ります。
非課税口座を売却して現金100万円を手にするには、100万円を売ります。

エクセルの下の方に結果があります。資産1売却-資産2売却 というところが資産の差です。
将来の現金化するときに投資資産が下がっていると非課税口座を売却しといた方が得です。
課税口座を売って7万円ほど税金払ったのに、将来マイナスになったから持ってたら税を払わなくてよくなってた~ということです。
ただし、7万円ほどの損ではなく、最大でも4.8万円ほどの損にしかなりません。

将来、投資資産が上がっていると課税口座を売却しといた方が得です。
今回払った7万円ほどの税は将来も必要で、課税口座に多くあると税金も多くなるからです。
50%の増加で7万円ほどの差100%の増加で14万円ほどの差になります。

損失時でも損は限定されているし、利益時の差が大きいです。

現状で課税されるとしても、非課税口座より課税口座を優先して売却!

将来に損失でるのがあって将来なら損益通算できるとか特殊な条件の場合は別ですが。

変額保険、私は持ってますが、非課税口座のように考えています。受取時も税かからないかな。ちなみに、今なら加入しないですし、辞めようかとも思ってます。

おわりに

上記のエクセルファイルのダウンロードはこちらからどうぞ。
損失でているのと利益でているので±0の損益にするにはいくらずつ売ればいいのか?
っていう計算するのに使ってもよいかと。
損益調整額って欄に20万と入れたら、利益20万円に調整する計算もできます。
参考として、ある利益を実現するためにいくら売ればいいか計算する欄もついてます。

計算式の間違い等ありましたらお教えください。

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